最近では、深刻な社会問題となっている闇金業者。
その闇金問題に対処するため、第156回国会において、ヤミ金融対策法(貸金業規制法及び出資法の一部改正法)が成立しました。
金融庁としても、貸金業登録制度の強化により、悪質な業者が安易に貸金業登録を行い暴力団等から資金を得て組織的に貸付けを行うといった事例の排除に努めるとともに、相談体制の強化や捜査当局等関係機関との一層の連携強化を狙っています。
今回のヤミ金融対策法によって、高金利貸付け、無登録営業に関する罰則が大幅に引き上げられました。
また、無登録業者の広告、勧誘行為について罰則が適用されるようになりました。
正当な理由のない夜間の取立て、勤務先等居宅以外への電話や訪問、第三者への弁済の要求など行ってはならない取立行為の具体例について、法律で明確にされるとともに、罰則も引き上げられました(無登録業者の行為も罰則の対象となります)。
このように、非常に重い罰則がありながらも、闇金業者が無くならない理由はなぜなんでしょうか?
もちろん、このような罰則の強化により、撤退をした闇金業者もいるかもしれませんが、実際に、営業をしている闇金業者も多くいます。
闇金業者が無くならないのは、警察が逮捕・摘発していないわけではありません。
しかしながら、闇金業者が絶滅せず、被害者が出ているのは、摘発されて無くなる以上に、新しい闇金業者が増えていることが挙げられます。
その理由としては、闇金というのは非常に始めやすいビジネスであることです。
あなたも、今すぐにでも闇金を始めることが出来ます。
お金を借りたがっている友人に、一万円を貸して、利息として五千円をもらいましょう。
それを業として営めば、闇金業者の出来上がりです。
本来、貸金業は審査が必要な登録制ですが、闇金は無登録で開業し、人に金を貸すのに特殊な設備も必要ありません。
ただ、こういった行為は、違法行為になります。
いくら手軽に開業できるからといって、始めてはいけません。
上記のような罰則を受けることとなります。
また、業者側も逮捕されないように、社名を変え、店舗を変え、従業員を変え、手口を変えて営業しています。
摘発してもまるで水が湧くかのように新しい闇金業者が現れます。
先程も言いましたが、パソコンが1台あれば、営業も集客もなんでも出来てしまいます。
もう一つの理由としては、需要があることです。
あと数万円あったら、楽になると思って悩んでいる人は、すべて闇金の潜在的な顧客と言えます。
もし、お金が無くて、明日からホームレスになる覚悟はありますか?
こういった質問をした時に、ホームレスになれるという方はほとんどいません。
やはり、現状の生活レベルを落とすことが出来ませんし、何より周りの視線も気になります。
何をするにも、お金は必要不可欠です。
お金が無くては何もすることが出来ません。
家賃を払うのも、食べ物を買うのも、お金が必要です。
こういったお金にまつわる需要が無くなることはありません。
この需要がなくならない限り、闇金業者もなくならないでしょう。
カテゴリー | 疑問・なぜ |
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作成日時 | 2017-03-17 18:29:12 |
更新日時 | 2017-08-13 15:02:10 |