法律が厳しくなる一方、犯罪を犯す人はより一層巧妙な手口や手法をおこなうようになってきました。
数年前に流行した振り込め詐欺の手口も最近では特殊なものになってきており、警察も摘発が困難になってきているようです。
そんな振り込め詐欺の検挙のために警視庁ではだまされたふり作戦という措置を取り、被害者にも協力を仰いでいます。
振り込め詐欺に用いられていたこのだまされたふり作戦ですが、和歌山県警は闇金に対してこの対策をおこない、効果を上げているようです。
そこで今回は、このだまされたふり作戦とは一体どのようなものなのかまとめてみました。
さて、だまされたふり作戦とはいったいどのようなものなのかといいますと、名前の通り、闇金業者に対して、騙されたふりをして、犯人を摘発するというものになります。
これまでは特殊詐欺対策に用いられていたものですが、和歌山県警が闇金対策でも効果を上げているとの報道がありました。
和歌山)ヤミ金対策に「だまされたふり作戦」
貸金業の届けをせずに高額な金利を取り立てるヤミ金融。
県内でも被害相談が増加傾向にある中、県警は、特殊詐欺対策でも活躍する「だまされたふり作戦」で、金の回収に使われる金融機関の口座を芋づる式に凍結する手法で対抗し、効果を上げている。
生活環境課によると、ヤミ金融の相談件数は2013年は127件、今年は6月末までですでに69件。
インターネットの広告や過去の利用歴をきっかけに電話でやり取りし、金融機関の口座で回収する手口が主流という。
県警では、2008年に施行された「振り込め詐欺救済法」に基づいて、こうした口座の凍結を実施。
口座が犯罪に利用されている疑いがあれば、県警など捜査機関からの情報提供をもとに、金融機関が口座を凍結することができる法律だ。
ただ、業者は口座を複数使っており、ヤミ金への返済に使った口座を凍結しても、別の口座で融資を続ける例も多かった。
そこで、県警が考えたのが、被害者に「だまされたふり」をしてもらい、業者から情報を引き出して次々と口座を凍結する方法だ。
4月、県内のある署に40代の女性から相談があった。「ヤミ金から金を借りたが、いくら返済しても元金が減らない」という。
過去にもお金に困りヤミ金融を利用したことがあった女性。3月中旬、携帯電話に県外の業者から「融資を受けないか」と電話があった。
女性は2万5千円を借り、手数料を引いた2万2千円が振り込まれた。
3月下旬、「利子を振り込んで」と電話があり、1万5千円を2回振り込んだ。それでも催促が止まらず、警察に相談した。
相談を受けた署では、生活安全係の警察官が隣で指示を出しながら、業者と電話した。振り込み用の口座を指定させ、凍結する。
その後、「振り込みが出来ない」と電話して別の口座を聞き出す。
これを繰り返し、3日で3口座を凍結させたところで、連絡が来なくなった。
この和歌山県警の方法によると、債務者が闇金業者と直接連絡を取って口座を聞き出し、その口座を凍結するという作業を続けた所、闇金業者から連絡が来なくなったとありますが、全てのケースでこのようにうまくいくとは限りません。
なぜかこの人に振り込みをさせようとすると毎回口座が止まる…これ以上取り立てると銀行口座がいくらあっても足りず摘発のリスクもあるので止めておこうと毎回なるわけではありません。
むしろ、債務者の勤務先へ激しい嫌がらせや報復がおこなわれるケースもでてくるのではないでしょうか。
さらに、このような事態に陥った時に戦う強い意志を持った債務者でなければ、少し無理があるでしょう。
また、警察は債務者のために動くのではなく、犯人を検挙するため、あるいは口座凍結のために動くので、必ずしも債務者の望む方向での解決にはならない場合があります。
一方、弁護士が介入した解決の場合は、闇金の「口座凍結はおこなわない」という条件で和解したりするので、平和的に解決することができます。
カテゴリー | 相談・QA |
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作成日時 | 2017-08-07 20:32:34 |
更新日時 | 2017-08-13 14:56:17 |