暴力団山口組系五菱会(「2代目美尾組」に改称)系のヤミ金融事件で、中野署と県警生活安全部は11日、県警が摘発したグループと共謀したとして、全国のヤミ金融グループを統括していた梶山容疑者(54)=組織的犯罪処罰法違反罪などで東京地裁で公判中=を、出資法違反(高金利)容疑で逮捕した。県警は同日午後、身柄を勾留(こうりゅう)中の大阪府内から長野中央署に移した。梶山容疑者は「今は話すことはない」と供述しているという。
同容疑者は「ヤミ金融の帝王」と呼ばれ、昨年8月以降、同法違反などの容疑で警視庁に4回、先月には大阪府警に逮捕されている。
調べでは、梶山容疑者は、傘下のヤミ金融グループ「YUグループ」社長の鈴木勇被告(32)=出資法違反の罪で長野地裁で公判中=らと共謀し、00年11月から03年2月にかけ、県内の会社員やトラック運転手ら11人に対し、計約138万円を貸し付け、法定利率の約40倍にあたる計308万円の利息を受け取った疑い。
県警は昨年2月に都内の貸金業の男を同法違反容疑で逮捕して以来、これまでに鈴木被告を含む7人を逮捕。この調べなどから、梶山容疑者の関与がわかった。
県警によると、梶山容疑者は貸金グループ「カジック」を経営し、傘下に鈴木被告ら直属の「社長」を7~8人置いていた。最盛期にはヤミ金融グループ約20組織を統括していたという。
「YUグループ」の銀行口座には59億円以上の入金があったという。同グループ傘下の数十店舗の収益金から、月2千万円以上が米ドルや割引債などで、梶山容疑者に上納されていたという。
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上水内郡内の女性などに高金利で金を貸し付けたとして、出資法違反の罪に問われた東京都世田谷区の無職中村太陽被告(26)の初公判が11日、長野地裁(青木正良裁判官)で開かれ、中村被告は起訴事実を認めた。
検察によると、中村被告は「YUグループ」傘下のヤミ金融店長で事実上のナンバー2。鈴木被告が梶山容疑者に売上金の一部を上納する際、米ドルや割引債などに換金するのを手伝ったとされる。
追加日 | 2004-05-11 00:00:00 |
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更新日 | 2023-07-14 19:26:01 |
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