大阪国税局の調査官が脱税に関与したとされる事件で、大阪地検特捜部に逮捕された国税局OBの税理士、細名容疑者(61)が貸金業の登録をしていないのに、顧問先などに億単位の金を貸し付けた疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。
特捜部と連携して捜査を進めていた大阪府警が近く、貸金業法違反(無登録営業)の疑いで細名容疑者を逮捕する方針だ。
捜査関係者によると、細名容疑者は2011~12年ごろ、都道府県知事への貸金業登録をしていないのに、経営する税理士法人「ナイスアシスト」(大阪市浪速区)の顧問先の関係者ら数人に、それぞれ数千万円を貸し付けた疑いが持たれている。
顧問先などに貸し付けた総額は億単位に上るとみられる。利息は、出資法の上限である年20%以下に設定していたという。
融資した先には不動産業者も含まれ、競売物件の購入資金を立て替えたこともあった。担保として、融資先が所有する土地に抵当権を設定するなどしていたという。
今年3月に細名容疑者を法人税法違反(脱税)の疑いで逮捕した特捜部の捜査などで、細名容疑者が顧問先への融資でも収益をあげた疑いがあることがわかった。特捜部は、ヤミ金融の捜査を専門に担う府警生活安全部と調整、府警が逮捕して捜査することにした。
特捜部は先月28日、細名容疑者と西税務署の上席国税調査官、平良(たいら)容疑者(43)について、ホストクラブ運営会社の経営者に脱税隠蔽(いんぺい)のために税務調査で虚偽の申告をさせたとして、法人税法違反(虚偽答弁)の疑いで逮捕した。
特捜部は勾留期限の18日、細名、平良両容疑者を法人税法違反の罪で起訴するとみられる。平良容疑者については、国税内部の情報を漏らした疑いがあるとして、勾留期限の18日にも国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕する方針だ。
細名容疑者は特捜部に最初に逮捕される前の昨年5月、毎日新聞の取材に「顧客に金を貸したことはない」と話していた。
追加日 | 2013-09-14 00:00:00 |
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更新日 | 2023-07-14 19:13:10 |
引用元 | http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130914-00000049-mai-soci |